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心の回診

第一二二回

365日毎日ハッピーな生活が続いていたら、人はどうなるのでしょう。きっと、折角肩に止まってくれた幸せを「幸せ」と分からず、心揺さぶるもの もなく、さぞつまらない人生になるでしょう。おいしい!とか、きれいとか、ありがとう!とか、あなたが好き、大好き!とか、愛してるとか、この思いを伝え たいとか、心疼く事も、感動する事もないでしょう…。

私はつい此の間、素晴らしい出逢いをさせて頂きました。江別市三好市長さんのお名前で講演の依頼を頂いた時は、大変嬉し く思いました。でも、講演前日に見た夢は、会場に時間になっても誰も人が集まらず、「どうしよう」と焦っていた夢でした。ところが、夢は逆夢となり、ホー ルは満席になり、補助席を出し、それでも足りず最後まで後方に立ち放しで熱心に耳を傾けて下さった方達の姿に感謝しました。まんまる新聞の読者の方々、パ ウロ病院に両親、夫、妻が入院されている家族の方々の姿が見えました。元職員だった懐かしい顔があちこちに見えました。何10年も逢う事のなかった短大時 代の友と、旧姓で名乗り合い、固い握手をしました。講演のお陰で幸せを頂きました。中でも嬉しかった事は、パウロ病院に入院されていた方の家族の方が、私 の講演のために足を運んで下さった事です。まるで「同窓会のよう!」と胸が熱くなりました。

現在(いま)生きている、生かされている時間を大切に生きましょう。認知症の父を母をどう支えて守っていくのか…。自分 が認知症になった時、それは、誰もゆく道、通る道ですと、お話しさせて頂きました。私は思います。今日できる事を明日もしっかりできるように。一日、一日 を大切に明日へとつないで行く。最後まで生きると言う事は「ごっくん」と「まばたき」ができる事。生かされている証です。