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エッセイ心の回診〜また明日ね〜


第八十回 (2007年5月)

 夫の書棚にあった本を読んでいた所、16代アメリカ大統領リンカーンの言葉「男は自分の顔に責任を持て」の箇所に朱い線が引かれていました。大統領は仕事を決めるとき「先ず会ってから」といい、会った後で「顔が駄目だね」と言うのだそうです。

 顔が駄目と言われた男性は「顔は親から貰ったもので自分の責任ではない」と答えました。大統領は「男は40になったら自分の顔に責任を持て」と答えました。私は思わず自分の顔を鏡に写しました。疲れた私が映っていました。「駄目だこりゃ!」思わず笑ってしまいました。

  男性ばかりでなく、女性も30代には30代の美しさ、40,60,80その年代に相応しよい顔になっていなければならないと思うのです。それがいつか風格となって滲み出て来るのではないでしょうか。

  森鴎外は「人は生まれたままの顔で墓場へ行くのを恥と思え」と言い、「俺の顔は40代で領収書になった」と作家藤本義一氏は言いました。パウロ病院と言う狭い社会の中でも、職員の顔が変わる瞬間があります。4月から新卒でナースとして働き始め、1ヶ月を経ていい笑顔になって来ているのです。「その調子!ガンバレ!」と励ましました。苦労を重ねて立派な大人の顔のなった男性職員もいます。主任から看護師長に昇格して師長の顔に変身して行きます。

 30代は失敗を覚悟で焦点を定めて挑戦する力があります。40代は仕事にも自信が持てて気概のある顔に変貌し、魅力的な顔になって行くと言います。人の魅力は仕事をしている人であって、仕事をさせられている人ではないのです。自分に問いかけます。私は大丈夫か・・・?「修子さん、今考えている事に燃える事はできますか?年だものとか、年相応にとか思っていませんか?

 此処で1歩踏み越える事ができたら、少し女としていい顔になれるかも知れないね・・・」と。

(医療法人中山会新札幌パウロ病院会長)
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