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エッセイ心の回診〜また明日ね〜


第七十八回 (2007年3月)

 斬く光の春、三月が訪れたと言うのに心が晴れない。地獄の底まで落ち込んでしまった私は、心に風邪を引いてしまったようだ。土・日が来ると思ったとたんに、気持ちが緩んだのだろう。

 悪寒が来てダウンしてしまった。心の回診の〆切日も気にかかり、気持ちはあせるが力が湧いてこない。こんな風に気持ちが萎えてしまった時にはどうすれば良いのだろうか・・・。

 「だれにだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。だれにだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。ただ黙っているだけなんだよ。言えば愚痴になるから」相田みつをさんの詩を噛みしめる。

  随分昔の事になるが、札幌在住の作家・原田康子さんがアマチュア作家のパソコンで打たれ た作品に触れて、「パソコン原稿は水っぽいからすぐ解る」と評した事がある。今なお、長編小説に意欲的にペンを走らせている人の言葉だったので、記憶に残っているのだけど、私はパソコンができない。

 私は、書きながら考えるタイプなので、気持ちが乗ってくると心がワクワク弾み、湧き水の
ように出てくる言葉にペンを持つ手が追いつけない時もある。

 ワクワクする事は、生きる力、原動力。好きな事に向かっている時は心のアンテナが四方に ピンと張られて、小さな幸せも見逃さない。生きている事そのものが有難くて、ワクワクして来る。日頃大切にしていた4Kの言葉「好奇心」「観察力」「行動力」「向上心」を忘れてい
たかも知れない。

  心に風邪を引いたお陰で(?)自分の心と向き合い、自問自答している内に、晴れ間に向か う糸口を見つける事ができたように思う。「天国でお父ちゃんが心配しているよ。少し楽になれって!」娘の言葉に背筋も伸びた。同じように、心に風邪を引いている看護部長の背中を押して上げよう。「ガンバレ」って。

(医療法人中山会新札幌パウロ病院会長)
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