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心の回診

第一六一回

 昨日、2月2日、私は江別にある情報大学さんで講演させて頂いた。男子が多い大学なのに、空気が澄んでいて講堂はもち論、廊下にもチリ一つ落ちていない。清々しい空気が流れていた。講演のタイトルは、「命を大切に生きる。」とした。青年達の澄んだ真直ぐな目が眩しかった。時々、現在(いま)の若者は…と言う言葉を耳にするが、この学園には関係がない。一人もいなかった。
 心地良い疲れと、無事に講演が終った安堵感、達成感に感謝しながら我が家に帰ったら、ナ・ナ・ナント、小学二年生のチビギャング、孫の麗生君が私の帰りを待ちかまえていた。「オーマイ、ゴッド!!」「おーちゃん遊ぼ!!」長い刀を渡されて、戦いゴッコが始まった。こうなると戦うしかないと心に決めた。敵は頭がいい。真剣に戦って、早く決着をつけて楽になるべし!
 ところがチビギャングが一人遊びを始めたのだ。独り言を言いながら、父ちゃんが作ってくれた剣を振り回わして、遊んでいる。「ラッキー!!」と思った。そんな時に麗生ちゃんの母ちゃんから(私の実の娘)「晩御飯、できたよ!!」と電話が来た。「有難う!」と私。娘は、私が仕事から帰って、自分のための晩御飯の仕度をする筈がない事を見抜いてくれていた。素直に、「有難う!」と言った。私は、息子二人と娘が一人、一姫、二太郎を授かった。長男は幼稚園の時に脳腫瘍が見つかり、視覚と聴覚にハンデキャップを負った。その息子を守って来たはずの私が、この頃は、息子たちに守られていることに気付いた。
 人生って素晴らしい。いや、生かされている事が素晴らしくて、幸せなのだ。情報大学の皆さんとの御縁を頂いた。素晴らしい学園でした。有難うございました。
 そして、家に帰ると、孫と娘が、晩御飯におでんを作って待っていてくれました。待つ人がいることのうれしさを思いました。
 立春…。病院の玄関ホールには、施設管理課のスタッフが、お雛様を飾ってくれました。
春ですね。